第37回鳥人間コンテスト選手権出場報告
機械工学専攻修士2年 倉科佑基
去る7月26日、東海大学ライトパワープロジェクト人力飛行機チーム(以下TUMPA)は第37回鳥人間コンテスト選手権人力プロペラ機タイムトライアル部門に出場致しました。前回の出場は2010年の第33回大会時、実に4年ぶり27回目の出場でした。
TUMPAは前回大会から今大会の間の4年間で機体の設計を大きく変更致しました。絶対にこの新しい機体で完走する!そして優勝して人力飛行機の新たな歴史を作る!そう意気込んだ大会でした。結果は残念ではありましたが、次に繋がるとても意味のある大会でした。
 こちらが設計変更後の機体。この形状は長い人力飛行機の歴史の中でも珍しく、大会当日はこの機体目当てに見に来てくださるファンの方々も多くいらっしゃいました。第37回鳥人間コンテスト選手権は大会1日目にタイムトライアル部門と滑空機部門、大会2日目にディスタンス部門が行われました。大会1日目、琵琶湖の天気は晴れ、風は比較的穏やか。近年稀見る好条件の中、大会はスタートしました。(大荒れの天気は大会2日目の事)
フライト前、我々チームメンバーには特に大きな2つの心配事がありました。1つは長い脚が引きこめるか、2つ目は独特な機体形状ゆえパイロットが怪我無く着水出来るか・・・。
この機体は地上でプロペラを回す為に脚を長くする必要があります。しかし、脚が出たまま飛行すれば抵抗になるので、脚を引きこんで抵抗を減らさなければなりません。脚が引きこむなんて恐らく鳥人間コンテスト初※、そう意気込んで製作していた秘密兵器です。機体がプラットフォームから飛びだす瞬間はもの凄いドキドキ感でした。何しろ空中で脚を引きこむのはこの時が初めてだったのです。誰も見た事が無い脚を引きこんだ後の機体、それが無事に琵琶湖で披露され、この時の会場の雰囲気は大会を通じても1番と言っても過言ではない程の盛り上がりをみせました。
※余談ですがこの引きこみ脚、この時が鳥人間コンテスト初ではありませんでした(笑)。約20年も前、TUMPAとは別に存在した東海大学の第二工学部の滑空機チームが、鳥人間コンテストで既に引きこみ脚を実現させていました。
 
しかし離陸直後、機体にトラブルが発生します。左翼のスポイラーが開いたまま閉じなくなったのです。このスポイラー、本来は揚力を減らして機体にブレーキをかける役目を持つ装置ですが、方翼を失速させて旋回する事も出来ます。通常、旋回するにはエルロンという装置を使いますが、スポイラーの方が構造が簡単で作りやすいのです。これが裏目に出ました。
本来、片方のスポイラーが開いたままならば機体は傾き旋回しようとするのですが、ブレーキの役目だけが働いてしまい、機体は失速、そして墜落に至った訳です。墜落と言ってもスポイラーのお陰で機体は綺麗に着水し、パイロットは怪我も無く無事でした。旋回して完走、そして優勝すると意気込んで挑んだ大会でしたが、旋回ポイントに辿り着く事無く終わりました。
しかし、悪い事だらけではありません。機速は大会出場チーム中1位の11.3m/sを記録。タイムトライアルでは1000mの距離を飛行するので、単純計算だと約1分28秒で完走します(歴代1位記録は約1分43秒)。そしてこの独特な機体の設計へ変更してから1年半とまだ日が浅く、今後更にデータを蓄積して行けば、圧倒的な速さを持つ機体へとなる可能性を秘めています。また、9月3日のTV放送ではTUMPAが大きく取り上げられ、大変多くの反響を頂きました。
今年4年ぶりに出場出来たのは東海大学機友会を始めとし、多くの方々に支えられ、助けて頂いたお陰です。TUMPAを代表し、心より御礼申し上げます。TUMPAは既に来年の大会に向けて動いております。引き続きご支援・ご協力頂けますよう宜しくお願い致します。
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@TUMPAbirdman

「人力飛行機チーム鳥人間コンテスト出場決定!」
読売テレビ主催第37回鳥人間コンテスト、タイムトライアル部門出場への切符を4年ぶり手にしました。人力飛行機と言えば琵琶湖で有名な、あの大会…そう!鳥人間コンテストです!
四年目連続不出場という記録は、チーム存亡の危機と言える状況でした。一昨年の東海大学機友会との出会いがきっかけで我々の夢の実現が足音を立てて近づくような機運が生まれました、機友会の指導で慌てずにコツコツと卒業生へのアプローチを展開した結果は、東海大学機友会だけではなく、他の同窓会など多くの卒業生から資金や物資、技術や知識等々、沢山の援助をいただけるという成果でした。更に人と人のつながりで、我々の思いを主催者側に伝えられたのも、大きな成果だったと思っています。おかげさまで、歴代に無い他チームでも稀な形状の新機体製作に着手することができました。
現在、試験飛行を重ねて更なる機体改良に励んでおります。チャレンジセンターライトパワープロジェクト人力飛行機チームのホームページ及びFace Bookにて試験飛行等、大会へ向けての記事を下記のURLにて掲載させていただいております。皆様からのコメントや「いいね!」を心よりお待ち申し上げます
http://TUMPA.shn.u-tokai.ac.jp/index2.html
皆様からの応援によって、琵琶湖の空でテレビを通し、また、大会優勝という姿によって、新しい事に挑戦するという夢を全国の皆様へ共にお届けできれば、これほど幸いな事はございません。是非とも、皆様の応援を心よりお待ち申し上げております。
琵琶湖でのチャレンジは、7月26日です。読売テレビ・日本テレビ系統での放送日が決まりましたら、このホームページでお知らせします。
この活動において、東海大学機友会から人と人のつながりの大切さを教えていただきました。感謝申し上げます。
東海大学チャレンジセンター
ライトパワープロジェクト人力飛行機チーム
 主催者サイトは、